残された親からの虐待・DVがある場合

残された親が、子どもや、連れ帰った親に対し、虐待や暴力を振るっていた場合には、「常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすことその他子を堪え難い状況に置くこととなる重大な危険がある」場合にあたるとして、返還を拒否できる可能性があります。

例えば、常居所地国において、

1 子が、残された親から、身体に対する暴力や心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあるとき

2 連れ帰った親が、残された親から、子に心理的外傷を与えることとなる暴力を受けるおそれがあるとき

3 残された親もしくは連れ帰った親が、子を監護することが困難な事情があるとき

などには、返還を拒否できる可能性があるでしょう(ハーグ条約実施法28条2項)。

f8e0795173779770d9bf031d56e8f342_sただし、残された親によるDVや虐待等が認められても、常居所地国において、DVや虐待から子どもを適正に保護する施設、制度等がある場合には、返還しても重大な危険は生じないと判断され、返還が認められる場合もあるので、注意が必要です。

まずは弁護士にご相談されることをおすすめします。

 

 

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●ハーグ条約とは ●外国にお子さんを連れ去られてしまった方
●外国から日本にお子さんを連れ帰った方 ●子どもを返還しなければならない場合
●ハーグ条約による援助 ●管轄裁判所
●返還申立事件の流れ ●返還を拒否できる場合
●残された親からの虐待・DVがある場合